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四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

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五十肩(肩関節周囲炎)

  • 病理

五十肩(肩関節周囲炎)とは、肩関節の炎症により痛みが起きる病気で、肩関節の痛みは「石灰性腱板炎」や「腱板断裂」でも起こります。広義の肩関節周囲炎に含めることもありますが、最近は、肩関節に障害があり、診断名がつけられる場合は肩関節周囲炎から除外しているため、肩関節周囲炎は一般的には五十肩のことを指します。

  • 原因

肩関節は「肩甲骨、上腕骨、鎖骨」の3つの骨で構成され、肩甲骨の窪みには上腕骨骨頭がはまり込んでいますが、肩甲骨の窪みが浅いため、上腕骨頭のはまり方が浅く、関節が不安定で脱臼しやすい状態にあります。そのため、肩甲骨背側に付いている棘上筋、棘下筋、小円筋と、肩甲骨胸側に付いている肩甲下筋が集合し、上腕骨頚部に付くことで肩関節をしっかりと支えています。五十肩では、この筋肉と骨を結びつける「回旋筋腱板」や、骨と骨とを結びつける「靭帯」に炎症が起こります。また、肩甲下筋と棘上筋の間隙、筋肉や腱板のすき間に炎症を生じることもあり、炎症が痛みを引き起こし、悪化すると肩関節の拘縮の原因にもなります。さらに肩関節の周囲は上腕骨頭を覆っている関節包や肩峰下滑液包などがあり、関節の動きを滑らかにする滑液をつくるとともに、クッションの働きをしていますが、これらの組織の弾力も失われ炎症を起こします。このような変化を起こす原因として、「加齢に伴う組織の変性、肩甲上神経が圧迫されて起こる障害、外傷、自律神経障害、血行障害、ホルモンバランスの変化」などが考えられていますが、今のところどの原因で起こるのかは、はっきりしていません。

  • 症状

40~50歳代で、体をあまり動かさない人に起こりやすいのが特徴です。女性に多いといわれますが、実際は男女差はほとんどなく、多くは、ある日突然肩関節に激しい痛みやしびれが現れることで始まり、朝、目覚めたら痛くなっていたという患者さんもいます。痛みは強く腕を動かしたときは勿論のこと、安静時も激しい痛みがあり、重症では痛みで眠れず目を覚ますこともあるほどです。軽ければ1~2ヵ月、重い場合は3~6ヵ月ほどかけて軽減しますが、今度は肩関節の動きが悪くなってきます。よって肩や腕を「上げる、回す」といった動作ができなくなってきます。このような「拘縮」が起こってくると、日常生活に支障をきたします。五十肩のほとんどは、治療をしなくても自然に(軽ければ半年程度、重症でも、1年~1年半)痛みも拘縮も改善されて、以前と同じように動かせるようになります。一度起こすと同側には再発しない病気ですが、もう一方の肩関節に、新たに発症することはあります。左右同時に発症することはほぼなく、一方の五十肩がよくなってから、もう一方に起こってくることがほとんどです。

  • 医療機関での診断

肩に痛みがある場合、肩関節の障害と、肩関節以外の障害の両方を考える必要があります。例えば肩関節の障害では、石灰性腱板炎や腱板断裂などの可能性もあります。また肺の先端にがんが発症した場合には、肩に激しい痛みを生じることがあり「狭心症、心筋梗塞、胆石症、頚椎の障害」などからも痛みが起こる場合があります。こうした他の病気との鑑別が重要になります。

  • 診察

まず症状「疼痛部位、きっかけ、どのようなときに痛むか」について、詳しく問診を受けます。実際に肩に触る触診や、肩を動かしながら診察する身体的な検査も行い、肩関節の動きや関節の可動範囲を診て、問診で得られなかった痛みの情報、痛み以外の症状がわかる場合もあります

  • 画像診断

主にX線検査とMRI検査が行われます。この検査は、肩関節や他部位に障害の有無を確認するのが主要な目的で、X線検査では、腕を上げたり、腕を内側や外側に回すなど、姿勢を変えて肩関節を撮影します。X線検査では、石灰性腱板炎や肺の異常などがわかり、MRIは骨に囲まれた軟部組織の診断に有効で、腱板断裂などの診断に役立ちます。こうした診察や画像診断で、肩関節や体の他部位に障害が認められない場合は「五十肩」と診断されます。

  • 医療機関での保存的治療法

五十肩は、ほとんど自然に治っていきますが、中にはなかなか良くならないものもあり、また自己判断で治療を行った結果、かえって症状を悪化させたり、治療期間を長引かせてしまうこともあります。五十肩を早く改善するには、適切な治療を受けることが大切です。五十肩の治療目的は、痛みを和らげることと、肩関節の動きをよくすることで、その基本が「安静、薬物療法、温熱療法」の保存療法です。

  • 安静

痛みの激しい時期には、激しい運動や重いものを持ったり、無理な動作をすることは控えます。悪化しない程度であれば、日常生活である程度は肩関節を動かすようにします。

  • 薬物療法

痛みがつらい場合は、薬物療法で痛みを和らげます。大きく分けて消炎鎮痛薬の使用と、患部に薬を直接注射する方法があります。消炎鎮痛薬には多くの種類があり、体質や症状を考慮し、適切な薬を選びます。患部への注射は痛みを早く抑える効果があり、注射薬はステロイド薬やヒアルロン酸ナトリウムなどを用います。ステロイド薬は強力な抗炎症作用がある反面、副作用にも注意が必要ですが、ヒアルロン酸ナトリウムは、本来滑液にある成分であり、注射しても副作用がなく、炎症を抑える作用もあるとの報告もあります。最近は、ヒアルロン酸ナトリウムを用いるケースが増えてきており、過1回ペースで、3~4回程度行います。

  • 神経ブロック

薬物療法を行っても、どうしても痛みが治まらない場合は、肩甲上切痕というポイントに局所麻酔薬を注射します。一時的に痛みを抑えることができます。

  • 温熱療法

関節の動きが悪くなる時期は、患部を温める温熱療法が効果的で、血行がよくなり痛みが和らぎ筋肉がほぐれ、肩関節を動かしやすくなります。温熱療法では、一般にホットパックや肩用のサポーター、カイロなどを用います。入浴で温めたり、患部の保温は大切で、特に夜間の冷えには注意する必要があります。当院のラジオ波温熱療法がおすすめです。

 

  • 五十肩体操

五十肩は、肩関節を動かさずにいると拘縮がひどくなり、ますます動かしにくくなっていくので痛みが和らいできたら「五十肩体操」を行い肩関節を積極的に動かしリハビリテーションに努めます。体操は段階を追って可動範囲を徐々に広げることが肝心で、無理せず、痛みが強くならない程度に行います。繰り返し行うと、動きが滑らかになるとともに、血行がよくなり筋肉が徐々にほぐれていきます。体操は、診断されてから正しいやり方を医療機関で指導を受けて行うことが良いです。当院でもお教えいたします。

  • 医療機関での手術療法

五十肩の保存療法で症状改善せず、慢性化すると、肩甲下筋と棘上筋の腱板のすき間の炎症により、組織が瘢痕化しすき間が狭くなります。手術では、この療痕化部分を切り離して、肩甲下筋と棘上筋の腱板の間に、十分なすき間をつくることで痛みが軽くなり、肩関節の動きもよくなります。手術は入院が必要で全身麻酔下で行います。実際に、五十肩で手術をするケースは、あまり多いものではありません。

五十肩の治療で、注意したいのが「糖尿病」で、糖尿病の人が五十肩を起こすと、症状がなかなか軽くならず、治療が長引く傾向があります。しかし、血糖を適正にコントロールすることによって、症状の改善や、治療期間の短縮が期待できます。糖尿病の人は、五十肩の治療を行うとともに、糖尿病の治療と生活管理に努めることが大切です。

  • 日常生活での対処・予防法

予防には「普段から適度に肩を動かし、肩を冷やさないようにする」を心がけることです。中高年の人は五十肩体操やテレビ、ラジオ体操などを行い、冷房で長時間肩を冷やすと血行が悪くなり筋肉が硬くなるので全身の保温に努めるようにします。夜間痛で夜眠れない場合は、クッション等を二つ折りにして、悪い方の肩から肘にかけて敷き、肩関節の負担を少なくします。さらに、クッションを腕に抱えて寝ると、痛みがより和らぎます。服を着替えるときは肩や腕を上げたり、後ろに回す動作をすると痛みが強まるため、着るときは痛いほうの腕から袖を通し、脱ぐときは楽なほうから脱ぐと、あまり痛くなく着脱ができます。前開きのものにすると、肩関節にあまり負担をかけずに、着替えられます。ストレスが悪化させることもあるので、日ごろから心身のリフレッシュに努め、生活の中で前向きな予防を心がけることが大切です。

現代中医学理論による病態分析

中医学では疼痛の発症原則を、経脈の循環が障害されると疼痛が発症する「不規則痛」とする。痛みの概念は激痛から不快症状まで幅広い解釈をしている。不規則痛の原因は、筋肉の緊張、痰湿、気虚の3つである。肉体疲労やスポーツでの筋肉の過緊張、津液の循環障害が原因で痰湿の混濁悪化、エネルギーの消耗や脾胃の生理機能の低下などで、経気の循環量が減り、疼痛が発症する。

中医学による痹証の概念

痹証は関節部位に痺れ様疼痛が発症する病証を基本概念とする。

痹証の発症原因は、風邪、寒邪、湿邪、熱邪である。

現代中医学における弁証分析

病態分析から、風寒湿証、気滞血瘀証、気血両虚証に分類できる。

①風寒湿証 肩部の牽引痛、風寒の外襲により疼痛悪化、温熱刺激で疼痛改善、悪寒、肩の重だるさ

②気滞血瘀証 肩部腫脹、疼痛虚按、夜間痛

③気血両虚証 肩部酸痛、過労後症状悪化、眩暈、気短

現代中医学による治療原則

①袪風散寒、疎通経絡、活血止痛である。

②主要経絡は、手太陽、手陽明、手少陽である。

現代中医学における鍼灸配穴

①局所 肩髃、肩髎、臂臑、臑会、肩内陵、肩貞を基本配穴とする。

②経脈流注と関係した遠隔配穴

・肩前面疼痛:手陽明流注の疼痛の場合、曲池、合谷、足三里

・肩外側疼痛:手少陽流注の疼痛の場合、外関、陽陵泉

・肩部後面疼痛:手太陽の流注の疼痛の場合、後渓、条口、承山

③痹証分析による配穴

・風痹証の場合は、袪風作用のある支溝を配穴とする。

・寒痹証の場合は、補腎陽虚、温煦作用向上の目的で、大渓、関元、腎兪を配穴する。

・湿痹証の場合は、袪湿作用のある公孫、三陰交、陰陵泉、豊隆を配穴する。

④弁証分析による配穴

・風寒湿証の場合は痹証分析を参考に配穴する。

・気滞血瘀証の場合は、疎通経絡を目的で、大衝、期門、肝兪、足三里を配穴する。

・気血両虚証の場合は、後天の精気を補う目的を主とする。脾の運化機能を改善する為に、公孫

足三里、中脘、脾兪、胃兪を配穴する。また代謝機能を活性化し腎陽を補う目的で、大渓、関元、腎兪を配穴する。

⑤特殊配穴

・手太陽を疎通する目的で肩貞、臑兪、天宗、秉風、曲垣、肩外兪、肩中兪を配穴する。この七穴を称して「七星台」という。

・特殊配穴の一つで、中平穴(足三里、下1寸)を配穴する。中平穴は指頭感覚で硬結を確認し、刺鍼刺激を加えながら、肩関節の可動域を確認するといい。

 

 

⑥運動療法

・施術者による介助運動

・施術者と介助者両者による運動

・自動抵抗運動(屈曲・伸展・内転・外転抵抗)

・自動滑車運動(上下前後後前運動各20回ずつ1日数回以上自宅で実施させる)

運動は過度にならぬよう控えめに行う。アイロン体操は実際行うと夜間痛を起こすことも多い。

 

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参考・引用文献

Step整形外科学・・・海馬書房

医道の日本 2012 11月号 医道の日本社

今日の健康 2013  8月号 NHK出版

鍼灸ジャーナル 2010 Vol15 株式会社緑書房

 

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