2019.12.20
肩甲骨付近・息をしても痛む・・・第一肋骨疲労骨折のお話
師走も下旬に入りました。皆さんお忙しい日々をお過ごしと思います。
特に来春高校生になるお子さんは、いったん部活動も引退され、自分でトレーニングを実施しているところでしょうか。
そんなお子さんに注意をしてほしい話
今年の2月のブログ
でも書きましたが、第一肋骨疲労骨折のお話
疲労骨折の頻度としては、あまり高くなく、特徴として
・成長期である15,6歳前後に発症する
・痛みの出る部位は、第一肋骨付近ではなく、肩甲骨周囲である
・肩を動かしたり、深い呼吸をすると痛む
であり、痛みが出る場所と骨折箇所が違うため、診断が難しい場合があります。
先月、当院でも同症例の学生さんが来院し、整形外科受診したところ、やはり第一肋骨疲労骨折でした。
症例として、野球、テニス、剣道、チア、ウェイトリフティング、ボクシングなどのスポ-ツをしている成長期の子どもに発症することが多く、第一肋骨に付着する前斜角筋、中斜角筋がそれぞれの方向にけん引されることや、前鋸筋、内肋間筋などもけん引され、肋鎖靭帯を介し、鎖骨から第一肋骨に外力が加わるなどして、解剖学的脆弱部に疲労骨折が生じるとされています。
行っている運動でも疲労骨折は起きますが、いったん引退して、新学年に向けてウェイトトレーニングを始める時に発覚することも多いので、肩甲骨付近や側胸部に強い痛みを感じた時は、整骨院もしくは、整形外科を受診しましょう。
上半身のトレーニングは休むようにし、無理をせず過ごすことで、1~2ヶ月で治癒するといわれています。
成長期に起きやすく、身体が硬いことやストレッチをせずに運動をすることがリスクファクタ-となるので
・ストレッチを運動前後、朝晩行う習慣をつける
・夜寝る前の入浴(疲労物質をためないように、循環を良くする)
・1週間で身体を休める日を作る
などに気を付けて、怪我なく、楽しくスポ-ツをしていきましょう!