2018.05.25
不妊と高プロラクチン血症、ホルモンバランスの乱れの原因は
当院に妊活で来院される多くの方が病院の検査で高プロラクチン血症と診断され、お薬を服用されています。もちろんお薬をしっかり服用し、数値を抑えることも大事なのですが、ホルモンバランスと密接な関係にあるのは、日常的に私達が晒されているストレスにありました。
プロラクチンとは、乳汁分泌ホルモンのことで、脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンで、乳腺の発達を促し、乳汁を分泌させる働きを持ちます。
そのため、妊娠を希望している女性にとって、プロラクチン値が高いのは、排卵障害など妊娠の妨げになっている可能性があります。
なぜ高プロラクチン値になるかというと、①脳の下垂体腫瘍②内分泌疾患③ピル、胃潰瘍、抗うつ薬、降圧剤などの長期服用による場合、他にも甲状腺機能低下症、流産などの原因があります。
プロラクチンが分泌される下垂体前葉は、他にも6種のホルモンが分泌されており、なかでも黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンが妊娠に強く関わっています。
下垂体は脳の視床下部にぶら下がっていて、視床下部が統括しています。視床下部は、自律神経系に対する最高中枢であり、ホルモン分泌の調節や、体温調節、摂食、性行動、情動行動の中枢があります。
生体がストレスを受けると、これらの自律神経系と、相関する免疫系が変動し、他症状に加えホルモン分泌、ホルモンバランスの乱れにつながり、プロラクチン高値につながります。
体の大きな機能、自律神経系、免疫系に大きく関わるストレスを軽視せず、疲れているときは休む、眠たいときは寝る、適度に体を動かし、趣味を楽しみ、やりたくないことは極力避けるなど、ストレスを遠ざけることが大切になります。