2020.07.17
【妊産婦さんにおすすめの本】
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、広島でもコロナ第2波の気配がありますが、原則の3密を避け、少しずつ行きたかったところに行き、やりたかったことを叶えて行きたいですね。
今回のウィルス禍で、様々なところに影響が出て、妊産婦さんが大変苦労をされていたのが胸が痛かったです。
妊活中にとっても、不妊治療を今するかしないかの選択に始まり、妊娠出来ても感染してしまったらと不安に思われる方もいらっしゃいました。
それでもしっかり前を向いて、今出来ることに取り組む姿は、母になるんだという意思が伝わってきて、感銘を受けました。
私自身、2度の妊娠で早産(31週と28週)を経験し、出産に関して何の知識も持たぬまま、母親になりました。今思えば勉強不足でした。頑張って生まれてきてくれた赤ちゃんも1000g台と非常に小さく、泣いてばかりで情けないお母さんでした。そんな時、授乳室に集められた早産組のお母さんの前で(当然赤ちゃんはNICUに入院中で、わが子はそばにいません)助産師さんがおっしゃった言葉が胸に残りました。
「赤ちゃんには母乳が良いですが、特に低出生体重児、極低出生体重児、超低出生体重児の赤ちゃんは、内臓等が未熟なまま生まれてきているから、消化吸収に優れる母乳だけを飲ませる気持ちで取り組んでくださいね。」と言われました。
それから、私の搾乳生活が始まったのですが、(低出生体重児の場合、おおよそ2000gを超え、母乳を吸う体力がつくまでは、母乳をチュ-ブで胃まで直接与え、その後哺乳瓶で看護師さんが与えてくれる:2000年当時)初産で※初乳を出す時が一番苦労しました。頑張って1時間?位は軽くかかってとれたお乳はわずか10㏄とか20㏄でした。
※「初乳とは、出産後に初めに出てくる母乳のことで、脂肪と炭水化物が少なく、たんぱく質が多くなっており、非常に消化が良く生きた細胞がたくさん含まれていて、いろいろな有害物質から赤ちゃんを守ります。免疫グロブリンや初乳に含まれているその他の物質は胎盤に代わって赤ちゃんを守る役目をしています。」(改訂版だれでもできる母乳育児・ラレ-チェリーグインターナショナルより抜粋)
初乳を必死でとった帰り、授乳室の入り口にあった本棚で見つけた本が、今回おすすめの本「改訂版だれでもできる母乳育児・ラレ-チェリーグインターナショナル」でした。とても小さい子を出産したばかりで、自分の不甲斐なさとわが子への心配で、どうすれば良いか途方に暮れ、打ちひしがれていた私にとって、ひとすじの光が見えた気がしました。
それからというもの希望をもって、母乳を搾ってNICUに入院しているわが子に届けて面会する日々が続きました。少しずつ成長し、予定日の少し前、初めて直接母乳を飲ませた時の感動は今でも忘れられません。
母乳育児だけが赤ちゃんを育てるすべてではないと思いますが、重要なファクターであることは間違いありません。
この本は、普通に順調に出産されたお母さんにとっても良いですし、帝王切開での出産であったり、私のような低出生体重児を出産された方、障害を持った赤ちゃん、双子の出産やお母さんが病気にかかっている場合など様々なケ-スが書かれています。
妊娠中のお母さんや出産間近、出産後のお母さん、また、妊活中の方にもぜひ読んでいただきたい本です。
すべての妊産婦さんが健やかなお産を通して元気に育児をする姿を願ってやみません。