診療のご案内

妊活・不妊

pregnancy / infertility

contents

妊活・不妊

不妊症の定義

日本では妊娠、出産に最適な年齢や、女性の健康について学ぶ機会が少ないため、結婚後すぐに妊娠すると考えている人も多く、不妊治療の開始が遅れる原因となっています。

日本産婦人科学会「不妊症の定義」とは、「1~2年間、避妊をせず性交渉を行っているが、妊娠成立しない場合」のことを不妊症としています。
近年は、妊娠希望してから、1年で妊娠しない場合は、産婦人科受診を推奨されています。
晩婚化で、治療のスタートが高齢であることが多く、女性の卵子は、加齢とともに老化していくため、結婚後1年経ったが妊娠しないと悩んでおられる方、何か原因があるのかもと悩まれる方は、産婦人科・専門病院でのスクリーニング検査をご夫婦そろって受けることをおすすめします。

不妊原因と不妊治療

不妊原因として、「男性不妊」が32.7%と高確率です。その他、卵管因子20.5%、卵巣因子20.5%、子宮因子17.6%、免疫因子5.2%、残りが原因不明と言われています。

① 排卵因子
正常月経周期は25~38日で、月経の間隔が長くあく方や無月経の場合は排卵障害による不妊症の可能性が高い。「高プロラクチン血症」はゴナドトロピンの分泌を抑制し排卵障害となる。体重の増加(BMI≧27)や低体重(BMI≦17)でも排卵障害が起こることが知られており、多嚢胞性卵巣や体重減少性無月経との関わりが重要になります。

② 卵管因子
原因として、クラミジアや淋菌感染症による骨盤内炎症性疾患が重要。重度の子宮内膜症による子宮付属器周囲癒着も卵管因子の原因となる。

③ 子宮因子
子宮筋腫が不妊の原因となるかどうかは意見が分かれるが、粘膜下筋腫や子宮内腔の変形を伴う筋層内筋腫は妊孕性を低下させる。

④ 原因不明
原因不明不妊は全不妊症の10~25%を占めるとされているが、加齢による卵巣予備能の低下が最も大きな原因と考えられる。
不妊原因のなかで原因不明が最も多く、不妊治療を受けるカップルの10~30%が、検査をしても不妊原因がわからない機能性不妊です。
治療に関しては、医学的に不妊原因が明確にある場合や疑わしい場合は、原因治療を優先しながら一般不妊治療を開始し(タイミング法、AIHなど)6周期~12周期続けて妊娠しない場合は、体外受精にステップアップする場合が多い。(患者様の年齢、不妊原因、患者様のご希望によってステップアップに要する期間は変わる。)

不妊症に対する鍼灸治療のアプローチ

① 鍼やお灸をすることで、身体の血流が良くなる。冷えが改善されやすく、免疫力、自然治癒力をあげることで、卵子の健全な成長を促し、子宮の血流が良くなることで着床を助ける。

② 鍼灸治療は、副交感神経を高め、交感神経を鎮めるといった、自律神経を整えることが可能です。自律神経は脳の視床下部が指令部であり、女性ホルモンをはじめとするホルモンは視床下部で主られています。過度なストレスが溜まることで、自律神経に乱れが生じると、女性ホルモンの分泌も乱れやすくなり、不妊につながっています。

③ 東洋医学の「養生法」を根本においた鍼灸治療を行います。患者様にも「養生法」を毎回、治療中、治療後にお話させていただき、プリントをお渡しすることもあります。鍼灸治療は出来ても1週間に1度程度。ご自身であれば、毎日自分の身体と向き合うことが出来ます。その点で、家庭で食生活、休息、運動、お灸療法(セルフ灸)を積極的に行っていただくことが、妊娠への近道となります。

私は一人目で2年、二人目で9年の不妊期間を経験し、二人とも早産であり、東洋医学的な養生が全くできていなかったと反省の日々でした。その経験と鍼灸師になってから多くの不妊患者様の治療をさせていただき、無事にご懐妊された方への鍼灸療法をまとめ、日々勉強を重ねながら、不妊鍼灸治療をさせていただいています。
一人でも多くの女性が、ストレスなく妊娠することが出来、健全な妊娠・出産・元気な体調で育児をすることが出来るまで、全力で応援させていただきたいと思っております。

参考:日本産婦人科医会 不妊の原因と検査より一部引用