診療のご案内
月経痛・PMS・更年期
Menstrual pain / PMS / menopause
月経は、脳の視床下部⇒卵巣系にかかわる内分泌(ホルモン)調節機構および子宮内膜の周期的変化により発来する。これらの器官・しくみの障害により、月経異常が生じる。
月経痛(月経困難症)
月経に伴う下腹部不快感、下腹部痛、腰痛が治療を要するほど強い場合を月経痛(月経困難症)という。子宮内で、月経血を押し出そうとするホルモン(プロスタグランジン)の働きによって子宮が収縮する痛みで、メカニズムは、陣痛とほぼ同じなので、多少の痛みは生理的現象である。
仕事や学業の能率に支障をきたす場合、痛みが増強している時、月経時以外の痛みがある場合は、婦人科受診が必要になります。
痙攣性の下腹部痛が背部、腰部、臀部、大腿へ放散し、消化器症状、精神神経症状などを伴うこともある。これらの症状は月経開始数時間前から開始時に始まり、数時間から数日持続する。
鍼灸治療では、全身調整とともに、自律神経系、ホルモン分泌系の機能を調整し、諸症状を予防・改善する。手、足の経穴及び、背部兪穴、腹部、腰部、仙骨部などの反応点に鍼灸を行う。
月経不順
月経は、脳の視床下部からホルモンが出され、脳の下垂体に働き、下垂体からのホルモンが卵巣に働き、卵が育って排卵する仕組みだが、いずれかに異常があると、月経がきちんと来なくなる。月経周期は初日から次回月経前日までの期間で、25日~38日を正常周期という。
周期が39日以上と長い時を「稀発月経」、24日以内と短い時を「頻発月経」という。妊娠以外で3ヶ月以上月経の来ない状態を無月経(続発性無月経)、18歳以上になって1度も月経が来ない状態を原発性無月経という。
原発性、続発性共に無月経は婦人科受診が必要です。
鍼灸治療では、東洋医学的な全身調整とともに、ホルモンバランスを整える鍼灸を行い、ご家庭での養生法(心身の休息・栄養)をお伝えしています。
PMS(月経前症候群)
月経開始1週間~数日前から始まる精神的、身体的症状で月経とともに衰退、消失するものを月経前症候群(以下PMS)という。ホルモン分泌機能の異常が関係すると考えられているが、神経症的性格が多いことも知られている。
症状は多彩であり、乳房の張り、悪心、嘔吐、下腹部の張り、頭痛、目まい、耳鳴り、全身倦怠感、不安、イライラなどである。
更年期症状
閉経期(50歳前後)のホルモン分泌異常(加齢⇒ゴナドトロピンに対する反応低下⇒エストロゲン減少⇒負のフィードバックでゴナドトロピン高値)に伴う自律神経の機能異常により、局所の血管調節が乱れ、局所血流が多くなったり、妨げられたりして症状を起こす。(例・頭ののぼせ、手足の冷えなど)
身体的症状として、のぼせでは顔面紅潮(ホットフラッシュ)や発汗がみられ、冷えでは局所の冷感、皮膚の蒼白などがある。また精神的症状として、憂鬱、無気力、不眠、不安感、神経質、イライラなどがある。
鍼灸治療では、四診から全身調整をするとともに、ホルモン分泌系、自律神経系を調節する。のぼせにおいては、血流の誘導(上から下にひく)、冷えにおいては血流を良くする鍼灸をする。